お知らせ&コラム

2018.1.12 女性として

選択的夫婦別姓、今度こそ

選択的夫婦別姓を認めてほしい。

つまり結婚するときに

① 二人とも夫の姓を名乗る
② 二人とも妻の姓を名乗る
③ 二人とも元の姓を名乗る

今、①と②の選択肢しかないところに③を加えようじゃないか、という話です。

だいぶ前になりますが、本気で離婚を考えたことがあります。その時に「こども」「お金」と同様、高い壁と感じたのが「姓」の問題。

結婚しようと決めた約二十年前、「どっちの姓にするか」と一応は夫となる人に話を振ってみました。当時私は仕事もしておらず、姓を変えることの大変さは、夫と比べれば、なんてことのないものでした。二十数年使ってきた元の苗字に愛着はあったものの、ふつうの会社勤めの男性が

「結婚して妻の姓を選びました」
「え?婿養子?」
「いえいえ」

というめんどうなやりとりを強いられることは容易に想像でき、結局、夫の姓を選択しました。
ところが、離婚を考える段になってみると、昔あっさりと選択した夫の姓が立ちはだかります。

離婚しても婚姻中の姓を使うことができることは知っていました。でも私は離婚するなら旧姓を名乗りたいという気持ちでした。そうすると当然、各方面に「実は離婚しまして・・・」と話さなくてはならない。プライベートなことを世の中に向かって叫ぶような状況になるわけです。それもいやだなあ・・・まあ事実を伝えるだけなんだけど、でもやっぱりなんだかなあ・・・

その時に初めて、「なぜ結婚するとき姓を変えなくてはいけないのだろう?」という疑問がわいてきました。デメリットを上回るメリットがあるだろうか、と。

もちろん民法では「夫婦どちらかの」姓を選ぶことになっているわけですが、現在の日本では夫の姓を選ぶケースが96%だそうです。私もこれまで出会った同世代夫婦の中でも妻の姓を選んだ、というカップルを一組しか知りません。

「結婚しました」「離婚しました」と告知して回らなきゃならないのは、一方(多くは女性)だけ。他方(多くは男性)はプライベートのことなどは、引き出しの奥にしまって涼しい顔で仕事していられるのってフェアかしら?

結局、離婚の危機は回避でき、今も夫の姓を名乗って生活しているわけですが、離婚を考えたことが夫婦同姓に疑問を抱くきっかけになりました。そしてその後、「夫婦同姓を定めている民法750条は憲法違反である」という訴えをおこされた方々がいることを知り、興味を持ってその行方を見守っていました。

しかしその裁判は、2015年12月16日に最高裁で敗訴が確定。

裁判官のうち5名が違憲、10名が合憲であるという判断を下しました。違憲判断をした5名のうちの3名は女性。合憲判断を下した10名は全員男性です。

娘たちの時代になっても、この状況は変わらないのだろうか、とがっかりしながらこのニュースを聞きました。

ところが、あれから2年。先月ツイッターで、サイボウズ社長の青野慶久氏が、選択制夫婦別姓を認めないのは違憲だとして、国を相手に提訴するという情報を目にして、びっくり。

そして今週、1月9日実際に提訴。IT企業の創業者という社会的地位もある男性が、なぜ?

青野さんは結婚する際、妻の希望に応じて妻の姓を選択。仕事上では旧姓を通称として使ってきたそうなのですが、実際に旧姓を使っての仕事を行う上で様々な困難に直面。旧姓という通称がいかに使いづらく、安定性を欠くものなのかを知ります。

年間60万組が結婚をしている中、その夫婦どちらかが、姓を変えており、その中の何割かの方は改姓に伴う不都合に直面していることを考えると、法の下で別姓を認める方が個人も、社会も負担が軽くて済むのではないかと考えるようになったそうです。

この問題にご興味のある方もない方も、ぜひ読んでみてください。

「こんなにある改姓の不便 夫婦別姓を選べるよう、国を提訴」(buzzfeed)

他にもネット上でたくさんの記事が出ていますが、1月10日にTBSラジオに青野さんご本人が出演されており、下記サイトで音声が公開されています。

「荻上チキ・Session-22」1月10日放送分

【音声配信】「IT企業の社長らが国を提訴、一方、最高裁には制度の導入を支持する判事が就任。改めて考える選択的夫婦別姓」サイボウズ社長・青野慶久×早坂由起子×荻上チキ▼2018年1月10日(水)放送分(TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」22時~)

change.orgで行われている署名活動は開始数日ですでに3万を超え、関心の高さがうかがえます。

また、提訴と同じ1月9日付で最高裁に史上6人目の女性裁判官が任命されました。この方、宮崎裕子さんは弁護士としてずっと旧姓で仕事をされてきて、裁判官となってもそれを変えないとのこと。この状況ももしかしたら、追い風になるのかも?と期待をしています。