お知らせ&コラム

2017.12.19 母として

触れながら、なでながら、育てる

先日、末っ子の三歳児検診があり、区の保健センターへ行ってきました。

毎日、自宅か小さな保育園で過ごしている娘にとって、三歳児&親がたくさん集まっている保健センターは、驚きと緊張の場所だったようです。だっこだっことせがんで、離れません。

受診や検診で、子どもにぐずられると、ちょっと大変ですよね。すんなり終わるはずのことが、ギャン泣きされて親子汗だく、クタクタ・・・という経験も豊富にあります。が、私も4度目ですので、少しは賢くふるまわなければベテランママの名がすたる(笑)
数々の失敗を経て、今はちょっとした作戦を持っています。(必ずしもうまくいくとは限りませんが)

椅子に座って抱っこして、ひたすら子どもをなでます。頭、ほっぺ、肩、膝、背中。そうしているうちに、子どもの方も、落ち着きを取り戻すというか、ちょっと緊張が解けてきて、周りをきょろきょろ見回しはじめました。壁にアンパンマンの絵が!赤ちゃんがおっぱいを飲んでいるポスターが!次のお部屋ではなにするんだろう?と珍しい場所を楽しむことができました。今回は作戦成功。

普段、マッサージの仕事をしている中で実感するのが、触れることがどれほど人のストレスを軽減させるか、ということです。

マッサージというと「凝っているところを揉む」というイメージを持っている方も多いと思いますが、私は「軽擦(けいさつ)」と呼ばれる軽いタッチが、大きな効果をもたらすことを日々実感しています。あれもこれもつらいという話を伺いながら、軽擦をすると、自然と口調も表情も呼吸も落ち着いてこられる方が多くいらっしゃいます。癌の患者さんにひたすら(その方が眠るまで)軽擦をするという施術を行っていたこともあります。

私は研究者ではないので、データを示すことはできませんが、長年の実践で感じていたことがたくさん書いてある本に出会いました。「人は皮膚から癒される」山口創さんという心理学の研究者の方が書かれた本です。日常生活にとりいれたくなる「触れること」にかかわる研究、エピソードがたくさん紹介されていて、読んでいて楽しくなります。

「触れる」ということがいかにして人にとって重要な意味を持つようになったのか。この本の中では進化の時間軸を用いてシンプルに説明してくれています。「生まれたばかりの赤ん坊の体温が低下しないように、養育者が触れて保温すること」という生命維持のために必要な行為であるということがベースとなって、触れられることが赤ちゃんにとっても養育者に守られている「快」の体験となり、そして触れて安心させてくれる人に特別な信頼を寄せるようになる、という認知レベルに発展してきたそうなのです。

「触れられると落ち着く」という心身の反応が数百万年もの長い進化の歴史の中で培われ、私たちの身体に組み込まれたものだと思うと、ますます、子どもに触れながら、なでながら育てるということが自然の摂理にかなっていることなんだなと思います。そしてぜひそれを暮らしの中にとりいれていきたいという気持ちになります。